木橋点検士の有資格者による数多くの実績に基づき、適切な検査方法による点検を実施しています。
木材の点検には、目視・触診・打診等の特殊な工具を必要としない定性的な点検と、含水率・穿孔スラスト・応力波伝播速度等測定機器を必要とする定量的な点検方法とがあります。 |
点検方法 | 点検内容 |
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目視 | 材色の変化や菌糸、子実体(きのこ)の有無、蟻害の兆候の有無、材表面の変色状態、部材のたわみ、割裂、めり込み、変形等を目視により観察します。 |
触診 | 材の表面を千枚通しなどを用いて突き刺し、その抵抗から腐朽の有無を判断します。 |
打診 | 健全な部分と腐朽している部分をハンマーで叩き、音を聴き比べることにより、腐朽の有無を判断します。 |
含水率 | ポータブル含水率計により、木材の含水率を測定します。腐食している部位については、その部分の含水率が高いことが多いので腐食の可能性をある程度判断することができます。 |
穿孔スラスト | φ3.0㎜程度のドリルで部材を穿孔し、そのトルク抵抗により木材内部の状況を診断します。健全部ではトルク抵抗が大きく、腐食部分あるいは蟻害などの脆弱ないし空洞部分ではトルク抵抗の反力が小さくなります。 |
応力波速度測定機 (FAKOPP) |
ハンディタイプの応力波速度測定機で応力波の伝播時間を測定します。健全材の場合は、伝播スピードが早く、腐朽箇所がある部材では伝播スピードが遅くなります。 |
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木製施設の維持管理で最も重要なのは、設置当初から計画的に維持管理を行うということです。目視で異常を確認できる段階では、既にかなり腐朽が進行しており、手遅れになる場合がよくあります。設置後、早い段階から定期点検などの維持管理を行うことをお勧めいたします。当社では数多くの経験より、その施設に応じた適切な維持管理業務を定期的に実施しています。
含水率の測定 | 穿孔スラスト | 応力波伝播速度の測定 |
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従来の検査は人の勘に頼っていましたが、応力波速度測定機による診断は腐朽状況を数値的に把握できます。(※報告書の例に関する詳細はお問い合わせ下さい) |
当社は、木製遊具・修景具・木橋・木道・デッキ等木製品の設計施工を行なっており、日本全国に数多くの実績があります。施工した施設については安全に使用していただけるよう以前より自主点検に積極的に取り組んでまいりました。当社では、応力波速度測定機を用い、木材の腐朽状況を数値化し、数多くの実績から蓄積された経験で総合的に腐朽診断を行なっております。木橋点検士の有資格者1名、公園施設製品整備技士の有資格者2名が診断に携わります。 |
数多くの実績を重ねてきた設計・施工と幅広い素材(GRP、鋼材、アルミ合金、再生木材、天然木材)を用いて、多様なニーズにお応えします。改修の際は耐久性、機能性、景観性、経済性など複合的な要素を取り入れることが重要ですので、上記の素材を組み合わせることにより適切な改修提案を行っております。
末吉公園(沖縄県那覇市) |
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改修内容 | 木道全体 | ||
使用材料 |
構造材 : ボンゴシ材 → GRP 床 板 : ボンゴシ材 → GRP 高 欄 : ボンゴシ材 → GRP |
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首里の町に囲まれた自然豊かな公園にある市民の憩いの散策路に設けられた階段です。深い樹木に囲まれており、高温・多湿の環境への対策のためGRP引抜材が使用されました。 | |||
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七山トラス橋(佐賀県唐津市) |
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規 模 |
トラス橋 幅員2.5m×橋長29.0m |
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使用材料 |
構造材 : ボンゴシ材 → 鋼材 床 板 : ボンゴシ材 → 補修再利用 高 欄 : ボンゴシ材 → 補修再利用 |
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七つの滝・淵が点在する散策コースに外国産木材で架設されたトラス橋です。木材全体に腐食がみられ、景観性や構造性を考慮した補強工事を行いました。木材の腐食部にはホウ素系防虫防腐薬剤(インペルロッド)を埋込み、その上に木材保護塗料にて全面塗装を施しました。また主桁は鋼材で補強をし、安全性を高めています。 | |||
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せんだん轟の滝(熊本県八代市) |
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規 模 |
鋼橋3橋 幅員1.5m×橋長16.3m 他 |
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使用材料 |
構造材 : 鋼材 → GRP 床 板 : 鋼材 → GRP 高 欄 : 鋼材 → GRP |
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五家荘の山中深くにある落差70mの名瀑をめぐる散策路にかかる橋です。その厳しい気候により腐食がすすんでおり全面改修に至りました。施工現場へのアプローチは道幅が狭いうえに高低差が大きく工事車両や重機の進入が出来ず、人力での資材搬入と施工が求められました。一方メンテナンスを極力軽減したいという観点からもGRP引抜材が使用されました。土砂や落ち葉がたまり、飛散する滝の水と相まって滑りやすい床面にはグレーチングの床板が使用され、橋を渡るときのワクワク感も演出しています。 | |||
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高瀬裏川水際緑地(熊本県玉名市) |
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改修内容 | 八つ橋全体 | ||
使用材料 |
構造材 : 鋼材・ボンゴシ材 → 鋼材(再利用) 床 板 : 杉材・ボンゴシ材 → GRP 地 覆 : 杉材・ボンゴシ材 → GRP |
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毎年5月下旬から6月上旬にかけて咲く約6万6000本の花しょうぶを散策できる市民の憩いの場所です。既設の八つ橋の木材部分が腐食したため改修工事を行いました。基礎と主構造材は再利用し、歩きやすさと耐久性の高さからGRPが採用されました。 | |||
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岩屋公園平安橋(鹿児島県南九州市) |
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規 模 |
トラス橋 幅員2.0m×橋長36.0m(2径間) |
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使用材料 |
構造材 : 杉集成材 → GRP VI ボックス桁 床 板 : 杉 → GRP 高 欄 : 杉 → GRP |
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公園内を流れる万之瀬川に架かる木橋の架け替え工事です。木材の腐食による危険個所が数ヶ所あり、補修と架け替えで検討されましたが、軽量で基礎への負担が少なく、長期の使用が可能なGRP橋が採用されました。 | |||
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沖縄県総合運動公園 連絡橋(沖縄県沖縄市) |
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改修内容 | 橋梁 木製高欄部 | ||
使用材料 | 高 欄 : ボンゴシ材 → GRP | ||
沖縄県総合運動公園内の池に架かる橋梁の高欄部が腐食し、取替え工事となりました。数種の材料比較選定の中から紫外線や塩害に対する耐久性が高く、長く使用出来るGRP材が採用されました。周囲の景観にも溶け込み、新たな橋として親しまれています。 | |||
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当社では、ますます高度化・多様化するニーズに応えるため、さまざまな素材を使用しています。下記の素材を適材適所に用い、より一層景観面に優れ、環境にやさしく、しかも耐久性のある施設を提案してまいります。 | |
素材1: | |
GRP |
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GRPとはGlassfiber Reinforced Plasticの略で、ガラス繊維強化プラスチックの名称です。母材に不飽和ポリエステル樹脂を強化材にガラス繊維を用いた耐腐食性と軽量性に優れた素材です。当社では、橋梁の構造材、木道の構造材、高欄等に使用しています。特に塩害のおそれがある場所には有効です。 | |
素材2: | |
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再生木材 |
再生木材は、木粉とプラスチックを混合して加熱成形した新しい複合素材です。天然木材のような質感と風合いがあり、耐久性が高いので、屋外には適した素材です。当社では、床板・化粧材・高欄等に使用しています。 | |
素材3: | |
アルミ合金 |
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構造材としては、重量が軽くしかも耐久性があります。当社では、橋梁の構造材、木道の構造材、高欄等に使用しています。比重が2.70と軽量なので、改修前の木製構造物より自重を軽くすることができ、ほとんどの場合、既設の基礎を問題なく使用することができます。 | |
素材4: | |
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天然木材 |
杉・桧等の国産材からイペ等の外国産材までさまざまな天然木材を適材適所に使用しています。当社では豊富な実績と経験から雨仕舞、水はけ等を考慮することにより、耐用年数を向上させた施設の提案を行なっています。 | |
素材5: | |
鋼材 |
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構造材としては、最もポピュラーな素材です。当社では、桁橋・トラス橋・木道等の構造材に使用しています。屋外構造物に使用する場合は、発錆しやすいので、溶融亜鉛メッキ処理を施して使用しています。景観を考慮する施設には再生木材、天然木材による化粧をお勧めいたします。 |
会社概要